予告編からトリック仕掛け済み 映画「屍人荘の殺人」紹介
映画「屍人荘の殺人」(2019年、119分)を観ましたので紹介したいと思います。
劇場で観たかったのにタイミングが合わず見逃してましたが、Amazonプライムで観れるようになりました。
本ブログの内容は、ネタバレをするつもりはありませんが、映画の本質となる部分について言及するものです。
まっさらな状態で映画を楽しみたいという方は読むことをおすすめしません。
なので、ちょっとスペース
どんな映画?
同名の小説を原作としたミステリー映画です。
明智(中村倫也)と葉村(神木隆之介)のホームズワトソンコンビと謎の名探偵、剣崎比留子(浜辺美波)がペンション紫湛荘(別名屍人荘)で起きる連続殺人の謎を解き明かします。
明智はホームズになりきったお騒がせ探偵、葉村はそれに振り回されるワトソンくん。そこに切れ者の比留子がホームズの役を奪っちゃうというスタイルです。
予告編に隠された本質
この映画は、実はゾンビ映画です。
ウイルス感染によりゾンビパニックが起きてしまい、登場人物たちはペンションに逃げ込みます。ゾンビに噛まれると感染して死に至り、さらにゾンビになってしまいます。
そんな状況で連続殺人が起こるという、予告の部分のストーリーが繰り広げられるわけです。
個人的な考えですが、ゾンビという要素は隠さないでほしかったです。
ミステリという殺人事件は好きでも、ゾンビものに苦手意識、嫌悪感を持つ人はある程度いると思います。
ゾンビものだということを予告編で隠すというのはよくあるみたいですね。
私も予告編で騙された経験があります。映画「プロメテウス」です。
宇宙のきれいな映像とともに、生命誕生の謎に迫るみたいなうたい文句で面白そうだと思い劇場へ観に行きましたが、結局はエイリアンの続編でした。予告編ではエイリアンの映像も言葉も一言もありません。エイリアンなら絶対に観ませんでした。
本格ミステリだと思って見に行って、苦手なゾンビが出てきた日には一週間は立ち直れないかと思います。
それって面白い?
なんだかんだで面白いです。
ゾンビに囲まれ逃げられないことで、いわゆる「館もの」の状況になり本格ミステリっぽい舞台が出来上がります。
ゾンビパニックに連続殺人と重いテーマが2つになりますが、全編通してコメディタッチが盛り込まれ、息苦しさが感じられません。
登場人物のキャラクターにもそれぞれ魅力があり、うまくバランスを取っていると思います。
ここがみどころ
なんと言っても主人公の浜辺美波さんがカワイイところです。ゾンビ&連続殺人という修羅場なのに、優雅なスタイルでいろんな表情を見せてくれます。
浜辺美波さんを見るためだけでも映画を見る価値はあります。
常に振り回される神木くんもカワイイです。いいコンビ。
また、中村倫也さんの明智恭介がとってもいいキャラです。作中で事情によりホームズポジションを比留子に譲ってしまいますが、もっともっと見ていたいと思わせてくれます。
序盤での明智のセリフに「これから起こるであろう事件の犯人がわかった。」というのがあります。まだ起きてない事件の犯人がわかるという明智。ミステリ界でもトップクラスの名言ではないでしょうか。
中村さんが演じる明智がいるといないとでは映画の評価が全然変わるといっても過言ではないと思うくらいのハマリ役でした。
まとめ
私自身もゾンビものは苦手です。正直騙された感はあります。それでも観てよかったという気にさせてくれました。ゾンビものが嫌いという人以外にはオススメです。
原作小説も読んでみたいですね。
=映画のおともに=
映画「屍人荘の殺人」にぴったりなフードは、「うなぎ牛丼」です。某牛丼チェーンで、うな牛として有名ですね。
チラっと見えたうなぎという御馳走(浜辺美波主演の本格ミステリ)に喜んでいたけど、いざフタを全部開けてみると現れる牛丼部分(ゾンビ)。
なんだこれは詐欺だ、おいしいわけない、うなぎへの冒涜だ!と憤るかもしれませんが、映画とともに食事を終えると感じられるものがあるはずです。
「まあこれも、アリといえばアリだったな。」